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普及員研修会(2006.6.18・19)

 

救命講習会でインストラクションを行う際には、「成人教育」の技法を利用すると効果的です。成人教育とは、何も難しいことをする訳ではなく、職場や学校で従来行われていた上意下達・一方向的な指導ではなく、学習者を尊重し、指導者と学習者が共同作業をしながら、自発的・継続的な学習環境を整えていく教育スタイルのことをいいます。

 

指導技法の基本

1.アイコンタクトをとりましょう

指導者と受講者の間には、上下関係はありません(同等の立場です)。上から見下すような気持ちや目線は避けましょう。

2.ボディー・ランゲージ

「言葉」だけでは伝わらないことも、身振り・手振りを加えることによって、コミュニケーションの幅が広がることがあります。

(言葉:7%、声の調子38%、態度55%)

3.体験型学習

体験者のニードはなんでしょう? 救命法を習得するために講習会に参加しています。技術を身に付けるためには体験することが重要です。指導者の話し過ぎは、体験時間を奪ってしまうことを忘れてはなりません。

4.双方向型コミュニケーション

受講者と指導者が共同作業をしながら学習することを忘れずに!

(言葉のキャッチボールをしましょう)

5.フィードバックしてみましょう

受講者は常に評価をして欲しいものです。上手なフィードバックにより受講者のモチベーションは上がり、学習効果も向上します。

 

指導の流れ

1.挨拶・自己紹介をして自分を知ってもらいましょう。

こんにちは、普及員の○○です。どうぞよろしくお願いします。

2.学習目標の提示をして、受講者にこれから何を学ぶのかを認識してもらいます。

 

3.バックグラウンドの確認をすることにより「つかみ」がしやすく、指導法や指導時間の  調整も容易になります。

今回初めての受講ですか?

以前はいつ頃受講されたのですか?

4.指導・・・・・実際に指導してみましょう!

 

5.質疑応答をすることによって、受講者の理解度や指導方法の問題点を見つけるこ  とができます。

あなたはどう思いますか?

 

6.まとめ・・・・・全体の流れの中でのポイントをまとめて提示し、受講者の頭の中を整  理させます。

 

 

フィードバックの方法

1.ネガティブ・フィードバック(短所を指摘する)

受講者にそのものズバリ短所を指摘すると、受講者の気分を害することになります。直すところは指摘しなければなりませんが、ネガティブなフィードバックは避けた方が無難です。

2.レセプティブ・フィードバック

受講者の経験等を考慮して、それまでの経験を否定しないようにする。むしろ受講者の経験を受容して学習の糧にする。

3.コンストラクティブ・フィードバック(理由や結果を述べて建設的に改善点を示す)

誤った方法にはその理由を述べ、正しい方法をフィードバックしながら誘導する。

4.ポジティブ・フィードバック

具体的にほめる・・・・・○○は良かったですよ

タイミングよくほめる

答えに気付かせてほめる・・・・・次はどうすれば良いですかねぇー

相手への共感を持って、自分の言葉でほめる

(その人自身)比較してほめる

 

指導ポイントの示し方

1.指導のはじめにまとめて示す

2.受講者が実技を実施中に、指導ポイントとなる手順を直前に示す

3.指導ポイントとなる手順が終わったあとに確認する

4.指導ポイントを小出しにする

 

質問への回答(テキストに書いてあることを言う)

1.嘘を言わない

2.回答できないことは正直にわからない、あるいは後で答えると言って即答を避ける

3.質問者や他の受講者の意見を聞く

4.1対1の関係にならないようにする

 

講習会運営上の注意点

1.時間管理・・・・・どうしても長くなってしまいます

2.和やかな雰囲気をつくる・・・・・緊張がほぐれて学習効果倍増

3.受講生を呼ぶ時は名前で

4.安全第一・・・・・特に高齢者の方には気を使ってあげてね(膝が悪い場合机の上で)

 

 

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